特に人造黒鉛粉末を製造する事を目的にしているメーカーは国内にはありませんが、人造黒鉛電極を原料として、これを粉砕加工しております。この場合注意をしなければならないのは、人造黒鉛電極はその製造工程上表面にカーボランダムが付着しており、これが混入すると著しく潤滑性を阻害するため、これの除去には苦労致します。人造黒鉛の品位は、一般に灰分0.5%、揮発分0.5%、固定炭素99%、全硫黄0.02%程度で品位が高いが耐火度、潤滑性は天然黒鉛に比べ劣ります。簡単に人造黒鉛電極の製造工程を述べますと、オイルコークスを主原料とし、これにピッチ、タールを加え加熱、混練、成形し1,000~1,200度で焼成(1次焼成)したうえ、さらに黒鉛化炉に入れ、2,800~3,000度の温度で焼成するとコークスが黒鉛化して電極が出来ます。
カーボンブラシ
鋳物用加炭材
溶接棒
ガウジングカーボン
乾電池用
還元剤
ゴム樹脂
ブレーキパッド等摩擦材料
黒鉛には次のような性能があります。電気の良導体である・摩擦係数が低い・耐熱性が高い黒鉛は六方結晶体になっており、それぞれを弱い分子結合カファンデルワースカで繋がっている層間化合物です。カーボンブラシに必要とされる材料特性として、高速回転(移動)体に低い摩擦力で、かつ多くの電流を受給電でき、発熱や酸化にも耐え得る事が要求されますが、これらの要求特性に対して黒鉛の持つ特性はぴったり一致しています。これがカーボンブラシに黒鉛が使用される理由です。
製品名 | FC(固定炭素分) | ASH(灰分) | VM(揮発分) | MO(水分) | 粒度(目開き) | 平均粒子径(μm) |
KN | 97.5%以上 | 1%以下 | 1.5%以下 | 1%以下 | – | 9 |
G70 | 98.5%以上 | 1%以下 | 0.5%以下 | 1%以下 | – | 66±5 |
E100 | 98.5%以上 | 1%以下 | 0.5%以下 | 1%以下 | – | 38 |
SF-CH | 98.5%以上 | 1%以下 | 0.5%以下 | 1%以下 | – | 10~30 |
SRN-10N | 99%以上 | 1%以下 | – | 0.1%以下 | -45μm 99% | 10 |
SRN-10F | 99%以上 | 1%以下 | – | 0.2%以下 | -45μm 99% | 10 |
SRN-10J | 99%以上 | 1%以下 | – | 0.2%以下 | – | 10 |
SRN-25J | 99%以上 | 1%以下 | – | 0.2%以下 | – | 25 |
SRN-30J | 99%以上 | 1%以下 | – | 0.2%以下 | – | 30 |
SRN-45J | 99%以上 | 1%以下 | – | 0.2%以下 | – | 45 |
SRN-60J | 99%以上 | 1%以下 | – | 0.2%以下 | – | 60 |
SSG-30 | 99%以上 | 1%以下 | – | 0.1%以下 | -500+106μm 90% | – |
SSG-80 | 99%以上 | 1%以下 | – | 0.1%以下 | -1000+180μm 90% | – |
SSG-50 | 99%以上 | 1%以下 | – | 0.1%以下 | -2000+500μm 90% | – |
SSG-5L | 98%以上 | 1%以下 | – | 1%以下 | 0.3~0.5m/m: 80±10% | – |
SF-1 | 95%以上 | 3%以下 | 2%以下 | 1%以下 | – | 35 |
CI-5 | 98%以上 | 1%以下 | 1%以下 | 1%以下 | 1000~0.5mm: 80% | – |
CI-1 | 98%以上 | 1%以下 | 1%以下 | 1%以下 | -0.5mm: 80% | – |
人造黒鉛 0.5-5mm | 98%以上 | 1%以下 | 1%以下 | 1%以下 | 0.5~5mm: 80% | – |
人造黒鉛 0-3mm | 98%以上 | 1%以下 | 1%以下 | 1%以下 | -3mm: 80% | – |
人造黒鉛 3-10mm | 98%以上 | 1%以下 | 1%以下 | 1%以下 | 3~10mm: 80% | – |
人造黒鉛 10-20mm | 98%以上 | 1%以下 | 1%以下 | 1%以下 | 10~20mm: 80% | – |